
“学び直し”じゃなくて、“学びはじめ”の美大探し。
社会人も15年目ほどになり、困ったことに遅咲きも過ぎる野望が沸いてきました。
きっかけは電子書籍で読んだブルーピリオド
無料の2巻まで読んで、続きを読まないわけにはいかないと17巻まで一気にまとめ買い。
これは小学生の頃に夢中で読んだ、ONE PIECEのイーストブルー編くらいの衝撃でした。
ストーリー展開も、主人公や登場人物の魅力も、とにかくもうめちゃくちゃ面白い。
それ以上に“美術”というものの成り立ちをほんの少しだけ理解した気がして、心臓をつかまれた。
自分はこれまで美術、特に現代アートって“センス”とか“発想力”みたいなもので新しいものを生み出す世界なんでしょ、と思ってたんですよ。
でも本作を読んで、それってもっと泥くさくて、地味な作業なんじゃないかと思った。
ひとつのテーマを何層も何層も掘って、自分の頭の奥のぐちゃぐちゃしたところまで潜って、その混沌をほどいていく。
で、ふっと腑に落ちた瞬間に、小さな光の粒が、ほんの一瞬だけ見える。
いくら潜っても自分の中に答えがないときは、哲学書を開いて、他人の思考の跡を辿ってみたりしてるのかな。
そこから、どう作品に落とし込めるのか、手を使って、また探っていく。
もちろん同じプロセスを踏みながら、“センス”とか“発想力”がずば抜けている天才も同じ教室にいたりとかするもんだから、そりゃ打ちのめされたりもするよね。
美大生ってほんとうにすごい環境で戦ってるんだなぁと思う。
ただ、「考えて、掘って、迷って、納得していく」――そんな思考のプロセスとして描かれる世界。
それが、数日食欲もわかないくらい、焦がれるほどに魅力的に見えた。この感覚が、自分の性格や価値観にしっくりくる。そういう「正解がない中で考え続ける世界」で生きたいなと。
(あと、昔から、美術だけはやたら成績が良かったし得意だった。)
……ということで、社会人だけどまずは美大の通信に通ってみようと思う。
通信制の美大に通うという選択にある意味。
独学ではなく、通信制の美大を選んだ理由を、備忘録として少し書いておこうと思います。もしこの先行き詰ったとき見返せれるように、自分メモだけど、誰かの役に立てばうれしいです。
自分一人では辿り着けない、“他者の視点”が欲しかった
独学だと、どうしても自分の中だけで完結してしまう。
でも美大では、講評や課題を通して「他人の目線」にさらされる。
その視点が、自分の表現を客観的に見つめ直すきっかけになると思った。
“続ける仕組み”がほしかった
美術って、やろうと思えばいつでも始められるけど、
本気で続けるには「期限」や「提出先」が必要だと感じた。
通信制なら、自分のペースを保ちながらも、
“締切”という小さなプレッシャーが背中を押してくれる。
「基礎」を体系的に学び直したかった
今まで感覚で描いてきたものを、もう一度きちんと学びたいと思った。
一度土台を整えることで、表現の幅がぐっと広がる気がした。
自分の“好き”に社会的な形を与えたかった
趣味として続けるのもいいけれど、
ちゃんと学びとして取り組むことで、自分の中での“位置づけ”が変わる。
「遊び」じゃなく、「生き方の一部」にしていきたいと思った。
現実と理想のバランスがとれる
通学ではなく通信を選んだのは、
仕事や生活との両立を崩さずに、長く続けたかったから。
無理をせず、でも着実に、今の自分のペースで進めるのがいいと思った。
ちなみに、もし自分の活動をビジネスとして登録していれば、美大の学費や教材費を「スキルアップ費用」として経費にできる場合もあるそうです。
もちろん内容や目的によっては認められないこともあるので、そこは税理士さんに確認しながら進めるのが安心。
美術が学べる3つの通信大学。
調べてみたら、日本には美大の通信制が3つしかない。
全てパンフレットを請求してみましたが、届くまでネットで検索した情報をまとめてみました。
京都芸術大学 通信教育課程
京都府京都市にある通信制芸術大学。
「芸術教養学科」など含む複数の学科・コースがあり、2025年度から通学不要の「フル・オンライン化」を進めています。
年間学費はおおよそ17万〜35万円ほどとのこと。
講義動画や添削などもデジタル上で完結するので、これはありがたいです。
大阪芸術大学 通信教育課程
大阪府南河内郡にある総合芸術大学の通信教育部。
学科・コースの幅がとても広く、美術・デザイン・写真・文芸・音楽など様々な表現を学べる環境です。
通信+スクーリング(対面授業)の組み合わせで「在宅中心だけど、キャンパスで教員指導も受けられる」というバランス型。
武蔵野美術大学 通信教育課程
東京都武蔵野市にある美術大学。
通信教育課程は4つのコースに再編され、通信授業・面接授業・メディア授業を通して、“造形を学びたい人”を対象に学びの制度が整っている。
スクーリングでキャンパスに出向ける機会もあり、自宅学習だけでは得にくい「教員・学生との交流」も体験できるのが特徴。
ただ、地方在住のためスクーリングに行く際の交通費などがネック…
パンフレットが届いたら、何を学びたいのか、どんな分野が好きなのか、
もっと掘り下げて納得できるまで選んでいこうと思います。
ブルーピリオド / 佐伯昌子好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって
普通のことじゃないでしょうか?

